LGBT支援は制度の拡充や企業の取り組みだけでは不充分
ここ最近、LGBTの生きづらさを少しでも解消できるようにいろんな動きが活発になっています。
LGBTという言葉も浸透してきているようになってきています。
各地でレインボーパレードが頻繁に行われたり、いろいろな自治体でパートナーシップ条例などの制度の拡充やLGBTフレンドリー企業の取り組みもどんどん活発化しています。
とても喜ばしいことだと思っています。
しかし、この動きだけで本当に良いのでしょうか。
こういった働きやすさや制度の拡充や企業の取り組みといったものを活用できるのは、LGBTであることをオープンにでき、自分自身のLGBTに関する受容ができている方にとってのメリットが多くを占めていると思います。
実際にカミングアウトできない人たちにとって、直接的にはあまり使いやすい制度や取り組みではないように思います。
もちろん、環境が整っていくということは、クローズでいる方にも安心感は多少影響するとは思います。
LGBTの方の多くは、クローズで生活している方が圧倒的に多いと思います。
人口の7.6%がLGBTであるという統計が出ても、そんなにたくさんいるようには感じられない点からでも明白です。
多くのLGBTの方が可視化されていないのが現実です。
本当に必要なのは、可視化されていないクローズの方たちがどれだけ生きやすくなるのか、カミングアウトしやすい環境にあるのか、カミングアウトしなくても生きやすい時代になっていけているのか、ということが重要です。
ボクがいちばん必要だと思っているのは、制度の拡充や企業の取り組みではなく、LGBTの方たち自身の「自尊感情」、いわゆる「自信」です。
LGBTであることをいい悪いなしに肯定的に受容し、LGBTであることになんのコンプレックスも感じず、「そのままの自分であっていい」という「自尊感情」です。
ボク自身、40代後半まで、自分自身を肯定的に受け止められず、なぜいつもこんなに嫌な存在であると思い続けてきたのか、今となっては信じられないほどネガティヴな状況にありました。
幼いころから、長男に生まれ、家庭を持ち苗字を継いでいき、子孫を残し、お墓を守っていくことができないことに、非常に罪悪感を持っていました。
人が人として自分のあり方を受容できていて、自分らしい生き方をすることに関しては絶望していたと思います。
今現在、ある程度LGBTにとって寛容な世の中になりつつある今、自分に誇りを持ち、自分らしい生き方を確認できていて、それを全うできることが、最高の人生だと信じています。
そのために必要なのは、幼いときからの周囲の理解、自分が生きていられることの安心感が必要です。
そうできて初めて、制度を使ったり、LGBTに寛容な企業で働き、人並みの自尊感情を持って生きていくことが必要だと感じています。
自尊感情を育むこと、そして周りからはなんの差別も偏見も受けないこと、理不尽さを感じないことが必要だと考えているのです。
自尊感情の高め方、自分自身の受容の仕方、ここに焦点を当てながら、環境にも働きかけをしていく、それがボクの使命だと感じています。
そのためにはにはどうしていったらいいのか、これからホームページややブログやSNSで発信していけたらいいなと考えています。
共感いただける方は、ぜひ、読んでいただき、名古屋LGBT活性化委員会にも積極的にかかわっていただけたらと思います。